梅雨/子猫

毎日とても暑い。今年の梅雨は雨が全然降っていないような気がする。雨天曇天よりはやっぱり晴天が好きだから、それは喜ばしいことではあるんだけど、でもあんまり雨が降らないのも心配になる。

雨量に限らずちょうどいい具合におさまることなんてそう滅多にあるもんじゃないのにね。そしてちょうどいい具合というのは結局のところ、都合のいい具合ということなのだ。勝手なことに。

 

先日、友人の家に子猫を見に行った。2匹の子猫はそれぞれ片手におさまるくらい小さくて軽かった。知らない人間が現れてもほとんど動じず、2匹ともとても懐っこい性格で、見るもの全部が興味深くて仕方ないという様子だった。

世界に登場してまだ数カ月の2匹は、怖いことなんて何もないかのように駈けまわってお腹いっぱいゴハンを食べて、ふわふわの細い足を投げ出すように眠っていた。このまま怖いことなんてひとつも知らずに生きていってほしいと思った。

幼子を見ると、それが猫の子だろうと人間の子だろうと、この世界の怖いことなんてひとつも知らないまま大きくなってほしいと思うし、知らないまま死んでいけるのならどれほど良いだろうといつも思ってしまう。それが正しいか正しくないかは別にして。