春になれば/スーパーブルーブラッドムーン
相変わらず毎日寒いけど、日だけは確実に延びている実感があるのが救い。冬の底、春の兆しの梯子がようやく降りてきたような気持ち。春になれば何もかもがいい方向にいくような、根拠のない思考。春になれば、春になれば、春になれば。
先週の皆既月食。スーパーブルーブラッドムーンという呼び名はなんだかあまりにも仰々しくて、それでいてお粗末で笑ってしまった。
それ以前、最後に月食をきちんと見たのは大学院にいた頃。研究室から見ていて、そのときに、「今後の人生で月食を見るたびに、わたしは今日のことを思い出すんだろう」と思った。そういう風に、その瞬間「思い出すんだろう」と予感したことによって、記憶に刻印されていく形式としての思い出。
予感は予言になり、予言は呪いになる。