世界/生活

ほんの数カ月前までの世界とは何もかもが変わってしまったと感じる。日々の報道は悲しみと怒りの感情ばかりをかきたてる。わたしの憂鬱さは状況をすこしも改善したりはしないことをわかっているから、できるだけニュースから離れるようにしても、あらゆるルートでそれは耳から目から入ってくる。耳をふさいで目を閉じると、逃げていていいのか苦しんでいる人がいるのに他人事でいいのかと、もう一人の自分に責められる。そしてこの一連の流れは誰のことも救えない。
結局のところわたしにできるのは、生活を、すこしでも前向きに粛々とやっていくことくらいなのだ。
世界中で戦うすべての人が、どうか一日でもはやく家族や友人や恋人と、キスをしてハグをして、同じ食卓を囲んで笑いあい、あたたかいベッドで安心して眠ることができますように。