四月の風/春の遺影

四月のうちにもう一度日記を書こうと思っていたのに五月になってしまった。土手に行って、たくさんの花を見たからそのことを書こうと思っていたのに。思っていたのに、すでにわたしの心はすっかり五月の中にある。ほんの数日前の写真が、ずいぶん遠い景色に見える。あんなに強かった四月の風は、もうどこか別のところに飛んで行ってしまったのだ。

新居での生活を整えるためにあれやこれやとしているうちに木々の緑は濃くなり日射しに目を細めるような気候になっていた。ここ数日は半袖を着ていてもちょっと動けば汗ばむくらいで、でもそれが妙に心地良いのは長い冬の間ずっとこの暑さや眩しさに焦がれていたからで、加えていよいよこれから夏が始まっていくんだという期待を孕んでさらに季節は輝きだす。五月、わたしのいちばん好きな月。

 

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だからこれは、2018年春の遺影だ。