引越し/ベッド

はじめてiPhoneからこのブログを書いている。

二年暮らした部屋から明日引っ越す。住民票はもう移してあるし、諸々の手続きも済んでいるのであとは人間と荷物の移動だけ。

引越しに際して、二十年寝ていたベッドを処分した。もともとは子供用の二段ベッドの一段で、わたしは大人になってもずっとそれで眠っていた。大きさも、質感も、色もきしみ具合もわたしにぴったりだったベッド。こわい映画を見て眠れなかった夜、はじめて好きな人とメールをした日、社会人になって毎日へとへとで倒れ込んでいた頃、いつもわたしを休ませてくれた小さな、でもとても頑丈で頼もしかった木のベッド。

今はたくさんの段ボールに囲まれるようにして、部屋の真ん中に布団をしいている。うんと両手を伸ばしても、かたくてつめたい木枠に触れないのが変な感じ。変な感じですこしさびしい。

センチメンタルとは自己憐憫と同義だと思っている。だからこの感傷は、所詮自己憐憫なのだと思う。でも自己憐憫を経ることで思い出を忘れずにいられるならいいんじゃないかと、思えるようになったのはごく最近。


この町も部屋も好きだった。次に住む町も同じように好きになれるといいな。

感謝の気持ちを忘れずに、仲良く楽しく健やかに。