枝垂桜/春うらら

この前の日曜日に浅草伝法院の庭を散策してきた。浅草へはしょっちゅう行っていたけれど伝法院の中に入ったのははじめて。庭と同時に寺宝も公開されていて、どちらもゴールデンウィークまでの期間限定らしい。もったいない。 枝垂桜が満開。樹齢はどのくらい…

山菜/去年の梅酒

春の食べ物といえば山菜。ギョウジャニンニク、ふきのとう、ノビル、タラの芽、せり、あさつき、ウドやうるいなんかも、この時期はちょっと大きいスーパーマーケットへ行けば手に入る。だけど陳列棚にパッキングされて置かれたそれらは、ほんのちょっとの量…

山頭火/悪あがき

ぬるくつよい風が季節の頁を捲って、今日は啓蟄。 最近、電子書籍で種田山頭火を読んでいる。もともと「草木塔」が好きで、先日偶々kindleで全集を見つけたので購入した。「ぐうたらの呑兵衛」と自ら称すように、大酒呑みでだらしがない印象の彼だけど、物乞…

五時過ぎの電車/バグ

満員電車を避けたくて、この頃は五時過ぎの電車で出勤している。とは言え五時過ぎでも人は乗っている。空いてはいるけど座れはしない。それでも鞄を肩にかけたまま、つり革につかまってリラックスできるくらいのスペースはじゅうぶんにある。乗っている間は…

春になれば/スーパーブルーブラッドムーン

相変わらず毎日寒いけど、日だけは確実に延びている実感があるのが救い。冬の底、春の兆しの梯子がようやく降りてきたような気持ち。春になれば何もかもがいい方向にいくような、根拠のない思考。春になれば、春になれば、春になれば。 先週の皆既月食。スー…

チキンドリア/幽霊の夜

東京にも雪がつもった昨日、昼過ぎには退勤して、まだ空いている電車に乗った。十四時くらい、雪が激しくなりはじめた頃だった。自宅のある駅まで帰って、家のそばのカフェで熱いレモネードを飲んだ。体調の関係で、年末からカフェインを極力摂らないように…

チューリップ/『ムーンライト』

花屋にもうチューリップが出ていて、まだまだ遠いと思っていた春の背中が見えてきたようで嬉しくて、思わず一輪購入した。 チューリップの可愛さは大人になってからわかった。昔はそこまで好きじゃなかった。色のわりにはそっけない花だなと思っていたから。…

正月休み/書き初め

年末年始の休暇も終わって今日から仕事。ちょうど一週間の休みだった。 祖母が上京しているので、大晦日と元日は実家で過ごした。大晦日にはみんなでカニ鍋を食べ、元日はお節とお雑煮、それから書き初めをした。もはや恒例となった我が家の書き初めは、各々…

バナナスタンド/シュトレン

バナナスタンドを手に入れたので、気が向いたとき、主に朝、バナナを食べるようになった。 バナナは簡単に食べられるし、栄養も摂れている気になるし、いい果物だな。 それ以外には使い道のないものの持つ、完結した美しさといじらしさ。愛しい。 すこし前、…

スカイツリー/ただそこにあるもの

最近、晴れた日は自転車で通勤している。片道10キロ強の道のり、小さいのも合わせると川を三本超えて行く。方向的にスカイツリーに向かって走っていくことになるんだけれど、近づくごとどんどん大きくなるそれは何度見ても圧巻だ。都心部とちがってわたし…

冬のけもの/スープ

今日みたいに曇った低い空の日に、ああ冬がきたんだなぁと思うのは、単純にその湿度や気温のせいだけじゃなくて、わたしが冬という季節にたいしてどうしても、暗さや静かさや憂鬱さのようなイメージを持っているせいなのかもしれない。 寒さに弱いのは、もう…

しんどさに慣れる/ハムスターの同意

毎日ほんとうにしんどい。一日が60時間くらいに感じる。ついこの前まで当たり前にできていたことができなくなってしまったこと、それによってこれまで楽しみだったことがこれからの苦しみに変わってしまったこと、何よりそういうすべてが外的要因からそうな…

猫の不在/我が家

所用があってここ数日は実家に帰っている。実家はマンションの五階で、ベランダが広い。場所柄、視界を塞ぐ建物も周りにないので、よく晴れた朝には遠くに富士山が見える。夕焼けも綺麗で、夏にはベランダにキャンプ用の簡易チェアを出してビールを飲むのが…

秋のピクニック/水辺

自宅から自転車で20分ほど走ったところに大きな公園があり、あるのは知りつつなかなか方向的に足を伸ばす機会がなかったその公園に、昨日ようやく行ってみた。天気も良くて、秋のピクニックには最適の日。 想像以上に広大で、すてきな公園だった。東京の住宅…

南天/冬支度

駅までの道、南天の実を見つける。同じ通りの数メートル先には大きくて立派な柿の木があって、その木にも重そうな実がいくつもいくつもぶら下がり、日に日に良い色になっている。だけど烏が見向きもしないところをみると、あれは渋柿なのかもしれない。 これ…

夢/片思い

一昨日、昔好きだったひとが夢に出てきた。 わたしはそのひとのことを結構長いこと好きで、いわゆる思春期の恋心のほとんどをそのひとに捧げたといっても過言ではない。片思い。相手から見向きもされないのにそれだけ長いこと好きでいられたなんて、一途と言…

朝/7・11

血圧が低いので朝に弱い。かといって夜に強いわけでもないけれど、如何せん朝は何をするにも億劫で仕方がない。起き抜けは食欲もないし、でも家を出るぎりぎりまで眠っていたいから、平日はたいてい何も食べずに出かけることになる。 何も食べないかわりに飲…

楽器/強さ

楽器ができたらいいのにと思う。しょっちゅう思う。でもわたしは楽器ができない。ほとんど同じような理由で、歌が歌えればいいのにと思う。わたしは歌は歌えるけれどもとても下手。歌が上手に歌えればいいのにと思う。ダンスでもいい。思うまま思うようにス…

美醜/フェイク

美しいものだけを見ていたいと思っているつもりなのに、心のどこかでは醜いものを見て蔑みたい安心したいと思っているのかもしれない。でも気づいていないふりをしている。 美しいものだけを見たいのにそれができないのは、自分の醜さがそのようにさせている…

トレンチコート/娯楽

さすがに寒くて昨日からコートを着ている。と言ってもまだウールは早い気がして、コットン地のトレンチコート。 もう五年ほど着ているトレンチコートは少しオーバーサイズ気味で、丈がふくらはぎくらいまでくるんだけれど、わたしはむしろその丈感が気に入っ…

映画/高笑い

AMAZONプライムビデオで『ココ・アヴァン・シャネル』(2009)を観た。 オドレイ・トトゥのくせのある顔立ちと力強い瞳が好きなので、何の気なしに観たんだけれど、数カ月前にたまたま観た『サガン -悲しみよ こんにちは-』(2008)という映画とよく似た感…

虫の声/季節

住んでいる部屋の裏がお寺なので、この時期になると夕方から夜更けまでたえず虫の声が聞こえてくる。テレビをつなげていないので、家では専らラジオを流しているんだけれど、夜、眠るためにラジオを消すと、その音が部屋の中までよく聞こえていることにふと…

山梨県立美術館/葡萄畑

風景とは、魂の状態である。 『風景と人物』モーリス・ド・ヴラマンク

秋涼の候/金木犀

もうひと月ほど前から、朝、眩しさと暑さで目覚めるようなことはなくなっていたのだけれども、今日は目が覚めた瞬間に肌寒さを感じ、いよいよほんとうに秋が来たんだなあと思いながら、まだ夏物の掛布団を引っ張り上げて、枕に顔をこすりつけた。木曜日。 こ…

最悪/最高

悪いことばかり起きているような気分になってしまうけど、きっと本当はそんなことはなくて、わたしの気持ちが悪いことにばかり引っ張られているから、落ちていたり降ってきたりした良いことに気がつけないというのが正しいんだろう。嫌なこともうんざりする…

中山競馬場/200円

秋競馬がはじまったので、開幕初日の中山競馬場へ。 お天気も良くてビールが美味しい。 中山競馬場には子どもの頃から父に連れられよく来ていた。 競馬場、かつてはそりゃもうとんでもなく広く感じたものだった。当時は「ここではぐれたが最後、今生の別れ」…

高松/晩夏

三日間ほど高松へ行っていた。 高松には祖母が住んでいる。いつもならお盆かお正月に行くので、この時期の高松はすこし新鮮。 うどん。 数多あるうどん屋の中でも、ここのうどんが我が家では最も高評価。いりこの効いたダシがたまらない。 祖母の家の周りを…

胃カメラ/食欲

胃カメラを飲んだ。経鼻での検査。口よりは楽だと聞いていたけれど、結構しんどかった。麻酔をしてても痛かったし、体内に異物が入ってくるのはやっぱりどうしたって気持ちが悪い。検査したところ、特にポリープや潰瘍はなく。診断結果は逆流性食道炎と、神…

ヨガ/酸素

相変わらず不調が続いている。最近では、もしかして今のわたしに必要なのは、病院お医者お薬ではなく、祈祷やお祓いとかそういう類なのかと訝しむほど。 しかしそういうことに頼るにはあまりに信心が足りないので、とりいそぎ自律神経でも整えてみるかと思い…

映画/所有

今日からまた仕事。 結局ずっと体調が思わしくないままだったので、美味しいものも食べられず、お酒も飲めず。幸か不幸か天気も悪く。せめて有意義なことをしようと思い、気になっていた映画を観たりして過ごした夏休み。 去年くらいからなぜか映画館で映画…